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販売員なら”絶対”に読んでおいて損はない良書【人を幸せにするM'etier】

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僕が販売員を仕事にして早10年が過ぎ去ろうとしています。

僕はこれまで、販売員という仕事に対して劣等感しかなかったですし、なんならいわゆる普通の会社員、サラリーマンになりたいなぁなんて考えて転職活動をしたことだってあります。

で、過去に一度だけ普通のサラリーマンを2年ほど経験したのですが、気がついたらまた販売員という仕事に戻っていました。

なんで?

そう思われるかもしれませんが、一回違う仕事をしてみることで理解しました。

僕には他の仕事はできねぇな、と。

僕にはこれまでに特別なスキルを身につけたわけでもなければ、資格だって大したものを持っていません。

しかし、販売員という仕事に関してはこれまで10年間もの間続けて来たスキルとノウハウがあります。

そこだけは、他の人には早々負けないだろうと自負してますが、悲しいかな「販売員」って誰にでもできる仕事って思われているのです。

そこに、商品があってそれを買いに来た人にオススメするだけでしょ?って具合に。

それは半分正解であって半分は偽りだなと。

そのあたりの全販売員が抱えているであろう葛藤を気持ちよく洗い流してくれるので、僕が自信を持ってオススメする本書です。

人を幸せにするM'etier

この本は、青栁 伸子さんというかれこれ数十年もの間、「人事」に携わっている人が書いた本になります。

サブタイトルにも「お客様を虜にする最強の接客サービス術」と銘打っているにも関わらず、人事!?

思わず「販売員の何を知ってるんだ!」と、突っ込みたく最初はなりましたが、本書を読んでそのあたりの蟠りも綺麗になくなりました。

販売術に関しての書籍は数多く存在しますが、これほどまでに販売員という仕事を素晴らしいものだと教えてくれる本は少ないと思います。

実際に、僕が何か1冊を新人にプレゼントするなら悩むことなく本書を渡すでしょう。

それほどまでに、この仕事についての核心が書かれています。

それは、実際に販売員ではない人事としての目線から書かれた本書だから余計に説得力があるのかもしれません。

ちなみにですが、この本はアパレルの販売員について書かれているのですが、タイトルにあえて”アパレル”という文字を入れなかったのは、アパレルだけでなく全ての販売員に共通すると思ったからです。

結局のところ、販売するモノが変わるだけで「人対人」っていうのは変わらないですから。

実際のキャリアが半端ない

この本の著者である青栁 伸子さんですが、これまでに築いて来たキャリアも素晴らしくそんな人が言うんだから間違い無いだろうと思わせてくれます。

実際に本書を読み進めていくと分かるのですが、とてつもないスキルと経験を持っているにも関わらずどこか謙虚で偉い人特有の偉い人感が全くないんです。

それは書き出しを読むとすぐに理解できると思います。

それは、販売員という仕事をしている人の人事にずっと携わって来たからなんだろうなぁと勝手に解釈していますが、ここまでキャリアを伸ばせてこれたのは、その人柄にもあるんだろうなと思います。

で、実際のキャリアは本書を読めばかなり詳しく書いてますので、ここではざっくりと紹介しておきます。

元はIT業界に何十年も身を置いていたそうですが、そこで人事を経験してから、ファッションの世界に飛び込みます。

そのファッションの世界もエルメス、ボッテガヴェネタと名だたる有名ラグジュアリーブランドです。

ラグジュアリーブランドといえば、ファッション業界で販売員をする者にとっては一つの目標でもありますよね。

ただでさえ、中に入り込むのが難しいラグジュアリーブランドですが、いきなり人事というポジションで転職できるあたりかなりの実力者だったことが伺えます。

このレベルに達することができるのってほんの一握りだと思います。

そんなすごい方が書いている本がしょぼいわけないんです。

本書の一部ご紹介

本書の中で好きな項目がありますので、そこから一部、ご紹介させていただきます。

それは第5章の「私が出会ったプロたち」という章なのですが、そこから少しだけ。

青栁さんが、エルメスへ入社が決まったときに、入社記念にサンフランシスコのエルメスで記念に何か書いたいと立ち寄った時の話です。

そこで、入社した際の経緯をスタッフに話し、そのスタッフがすすめてくれたのがアジャンダ(手帳)だそうで、その時の対応が素晴らしすぎて読んでいて鳥肌が立ちました。

 

「アジャンダ(手帳)カバーはどうかしら?」と勧めました。

これも入社した時に知ったことですが、手帳は「アジャンダ」と呼ばれます。私自身は「今年の新作のカレ(スカーフ)でも」と思っていたので、予算をかなり越えることになるアイテムでしたし、まったく想定外のことでした。

アジャンダを勧めてくれたのはベテランという感じの女性スタッフで、ツートーンのカバーが私のイメージだからと見せてくれました。

私が「実は今年の新作のカレを考えていたので、予算オーバーで、、、」と正直に言うと、彼女はこう話し始めました。

「でもね、アジャンダはこれからのあなたのエルメスでの歴史に寄り添っていくものなの。楽しいことも嬉しいことも、辛いこともすべて、このアジャンダと一緒に過ごしていくの。

『あぁ、これは入社した年に買ったカレだ』と、ときどき思い出すのではなくて、日々ずっと一緒にいられるものなの。毎日、手にしてスケジュールを書き込んで、『あぁ、これを入社の記念にサンフランシスコの店で買ったなぁ』と思い出しながら、歴史を重ねていくの。カレよりもこの方が嬉しくない?そのときに私のことも一緒に思い出してもらえるから、私は嬉しいわ』

彼女の返事に思わず私は、「ありがとう、これにするわ」と即決していました。

 

本書の一部を抜粋したものですが、赤字にしたところのセリフがパワーワードすぎて、「そんなん言われたら買います」って僕もなっちゃうと思います。

このわずかな会話の中で、即決まで導ける会話力、説得力ってなかなかできるモノではないです。

短い会話の中ですが、これから仕事で使用頻度が高いであろう、アジャンダ(手帳)を勧め、エルメスというブランドの良さを伝え、見るたびに入社した時に買ったアイテムだと思い出す魔法をかけ、さらにはそれを販売したスタッフのことを心に刻みつけているわけです。

そして何よりも、購入するに至った本人が大満足している点です。

彼女はこれだけのことを、この短い接客時間でやってのけたわけですが、これって本当に誰にでもできることでしょうか?

普通の販売員にはできない芸当です、これはプロの仕事です。

冒頭でも書きましたが、販売員って誰にでも簡単にできる仕事だと思われがちですが、「販売のプロ」になるのは誰にでもなれるわけではないということを、上記やりとりは痛感できるケースではないでしょうか?

こういった「プロの仕事」に青栁さんが実際に体験した体験談もいくつか載っていますので、販売員をしている方は、そこだけでも読んで欲しいんですね。

誰にでもなれる販売員ではなく、一握りの世界の「プロになりたい。。。」という気持ちがメラメラと沸いてくるはずです。

まとめ:販売員の方には絶対に読んで欲しい良書

僕はこの本を2日くらいでさらっと読み切ってしまいましたが、すでに何回も読み直しています。

日々の仕事(販売業)の目標が見えなくなって、無気力に過ごしてしまっている方や、もっと販売という仕事を掘り下げたい方は絶対に読むべきです。

価格も1000円くらいですし、内容も読みやすいので活字が苦手な方にもオススメです。

 

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